IPOの情報を見ていると「主幹事」「幹事」「委託幹事」という言葉が出てきます。どこから申し込めるかに直結するので、区別しておく価値があります。
主幹事証券
上場の準備段階から会社を支援し、引受けの中心になる証券会社です。割り当てられる株数がもっとも多く、一般に当選のチャンスも大きくなります。
2026年の22件を調べたところ、19件が主幹事1社でした。残る3件は共同主幹事で、2社・3社・4社という構成です。共同主幹事になるのは海外募集を伴う大型案件が中心でした。
主幹事を務めた回数の内訳は、野村證券が6回、SBI証券が5回、SMBC日興証券が4回、岡三証券とみずほ証券が各3回です。
幹事証券(引受幹事)
主幹事とともに引受けに参加する証券会社です。届出書には引受人として社名と住所が記載されます。ここに名前がある会社の口座を持っていれば申し込めます。
幹事団の規模は平均7.6社、中央値7社、最小2社から最大14社まで幅がありました。
注目してほしいのは、SBI証券・マネックス証券・松井証券・楽天証券といったネット証券が、幹事には高い頻度で入る一方で主幹事にはほとんどならないという構造です。この4社が主幹事を務めた回数は、SBI証券の5回を除くとゼロでした。
委託幹事(ウラ幹事)
幹事証券が引き受けた株式の一部を、さらに別の証券会社に販売委託することがあります。この販売を受託した会社が委託幹事です。
ここには構造的な問題があります。届出書には委託販売を行う方針だけが書かれ、社名が記載されません。実際の届出書にはこう書かれています。
引受人は、引受人の買取引受による売出しにかかる引受株式数のうち、2,000株を上限として、全国の販売を希望する引受人以外の金融商品取引業者に委託販売する方針であります。
数量は書かれていますが、どこに委託するかは書かれていません。2026年の22件のうち16件(73%)にこの記載がありましたが、社名を機械的に集める方法は存在しません。各証券会社が自社サイトで個別に告知するのを待つしかないのが現状です。
当サイトで委託幹事の欄に「BB開始後に判明します」と表示しているのは、この事情によるものです。分からないことを分からないと書くほうが、推測で埋めるより読者の役に立つと考えています。
なお岡三オンラインと三菱UFJeスマート証券は、2026年の22件で幹事団に一度も登場しませんでした。両社はIPOを取り扱っているので、委託幹事として参加しているとみられます。
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や商品の購入を勧めるものではありません。制度や各社のルールは変更されることがあります。申込の前に必ず各社の公式ページと目論見書をご確認ください。記載内容は2026年8月9日時点のものです。

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