IPOで意外と効いてくるのが、ブックビルディングの申込時に口座へ資金を入れておく必要があるかどうかです。「前受金」「買付余力」などと呼ばれます。
なぜこれが効くのか
IPOは同じ時期に複数の銘柄が走ることがあります。事前入金が必要な会社では、申し込んだ銘柄の数だけ資金が拘束されます。100万円しかなければ、必要資金10万円の銘柄には10件までしか申し込めない計算です。
一方、事前入金が不要な会社なら、口座に資金がなくても申し込めます。当選してから入金すればいい。資金量が当選機会の上限にならないということです。
2026年の22件では、必要資金の中央値は10万5,000円、43%が10万円未満でした。決して手が届かない金額ではありませんが、複数の銘柄に同時に申し込むとなると話は変わってきます。
事前入金が不要な会社
松井証券
取引ルールにこう明記されています。
需要申告時点で、購入に必要な余力(公募・売出し価格×購入株数)を用意する必要はありません。
購入時にも手数料はかかりません(売却時には発生します)。出典:同社IPO取引ルール
岡三オンライン
抽選の説明ページに「抽選に際しては、事前のご入金は必要ありません」と記載されています。当選後は入金締切日15時までに必要額を入れる必要があります。出典:同社「抽選について」
事前入金が必要な会社
SBI証券
配分の対象になる条件として「抽選時点で発行価格×売買単位株数の買付余力が確認できる申込数量」であることが挙げられています。つまり抽選の時点で資金が必要です。出典:同社FAQ
SBI証券は2026年の22件のうち20件(91%)で幹事に入っており、事実上の必須口座です。資金が必要という条件は、この参加機会の広さとセットで考える必要があります。
組み合わせて考える
資金に余裕がないうちは、事前入金が不要な会社を軸にして参加数を確保し、資金ができたら事前入金型にも広げる。これが素直な順番だと思います。
なお当サイトの銘柄ページでは、保有している証券会社を登録すると、その銘柄の幹事のうち持っていない会社だけに印が付くようになっています。設定はブラウザ内に保存されるだけで、こちらに送信されることはありません。
各社のルールは変更されることがあります。申込の前に必ず公式ページでご確認ください。
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や商品の購入を勧めるものではありません。制度や各社のルールは変更されることがあります。申込の前に必ず各社の公式ページと目論見書をご確認ください。記載内容は2026年8月9日時点のものです。

コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 22件中20件、91%。1社だけ選ぶならここになります。ただし事前入金が必要な点は資金効率とのトレードオフです。 […]
[…] ブックビルディングの時点で口座に資金が必要かどうかは、証券会社によって扱いが分かれます。ここは資金効率に直結する重要な違いなので、別の記事で詳しく扱います。 […]