IPOのリスク──公募割れと、意外と知られていない辞退のペナルティ

IPOのリスク|公募割れと、辞退のペナルティ

IPOは「当たれば儲かる」と語られがちですが、当然リスクがあります。誇張のない範囲で整理します。

目次

公募割れ

上場後の初値が公開価格を下回ることを公募割れといいます。IPOは必ず値上がりするものではありません。市況が悪い時期や、需給に対して売り出し株数が多い銘柄では起こり得ます。

公開価格で買った株が上場初日に値下がりすれば、その時点で含み損です。「IPOは儲かる」という前提で資金を用意すると、想定外の事態になります。

なお当サイトでは株価や初値のデータは扱っていません。データの再配信ライセンスの問題を避けるため、届出書に記載された権利・条件に関する数値だけを掲載する方針としています。初値や騰落率を調べたい場合は、取引所や各証券会社の公式情報をご確認ください。

当選しても買えないことがある

補欠当選という制度があります。当選者が購入を辞退した場合に繰り上がる仕組みで、補欠のまま終わることもあります。当選通知を見て資金を用意したのに買えなかった、ということは起こります。

辞退にはペナルティがある場合がある

これはあまり語られませんが、実際に規定されています。松井証券の配分方針にはこう書かれています。

需要申告に参加して当選したにも関わらず、辞退、余力不足または購入手続きの失念その他の理由により当該銘柄を購入しなかった(以下「購入辞退者」といいます。)場合、当該銘柄の購入申込期間最終日の翌日から起算して6か月の間、当選を決定する抽選から除外されます。

注目すべきは「余力不足」と「購入手続きの失念」が並んでいることです。悪意がなくても、うっかり忘れただけで6か月の除外対象になり得ます。

出典:松井証券 募集等にかかる株券等のお客様への配分にかかる基本方針

他社にも同種の規定がある場合があります。申し込む前に各社の配分方針を一度読んでおくことをおすすめします。

スケジュールが短い

2026年の実測では、ブックビルディング終了から申込開始までは中央値4日、申込期間は中央値4日でした。この短い期間に購入の意思表示と入金を済ませる必要があります。

仕事や旅行の予定と重なると、単純に間に合わないことがあります。当選を確認する手段(メール通知など)を各社で設定しておくのが現実的な対策です。

そもそも件数が少ない

2026年1月から8月上旬までに上場承認された銘柄は22件でした。前年同期と比べて減少しており、通期でも40件台の見込みです。

「IPOで資産を増やす」という発想で臨むと、そもそも打席に立てる回数が限られていることに気づきます。当たれば嬉しい程度に構えておくのが、実態に合っていると思います。

この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や商品の購入を勧めるものではありません。制度や各社のルールは変更されることがあります。申込の前に必ず各社の公式ページと目論見書をご確認ください。記載内容は2026年8月9日時点のものです。

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